1年生時代 その⑤ 学校でママと喋った!

今日は、運動会のダンスで子ども達が使うポンポンを作るため、放課後私達が学校に集まる日でした。午後2時ごろ学校に行くと、教室の前の廊下で、子リスがにこにこしながら私が行くのを待っていました。お母さん達が10人あまりとその子ども達がいます。A先生がポンポンの作り方を説明し始めると、子ども達は先生の側に寄って行って手を出したり口を出したり。先生:「あーもう、じゃあ子ども達にも手伝ってもらおう。」ということになって、何となく楽しげにワヤワヤとした中で作業が始まりました。親はテープ紐を束ねてポンポンの原型を作り、子ども達はそれを細く裂く、という役割分担です。子リスは、教室に私がいるということで少し照れくさそうに、教室内をうろうろしていましたが、他の子ども達が紐を裂く作業に熱中しているのを見て、だんだん自分もやりたくなってきたようでした。何度か私の側を通り過ぎたり、私にちょっと触っては離れて行ったりしていましたが、そのうちついに、私の耳元で、「ママ、ボクもやりたい。」と言ったのです。あ、喋った…。ちょっとびっくりした私は、思わず、「えっ?」と聞き返してしまいました。すると子リスはもう一度、「ボクもひもを裂くのやりたい。」と、小声で言ったのです。やった…!私は嬉しくて、「先生~、今子リスが喋りましたよお~!」と叫びたいところでしたが、それをぐっとこらえて、「子リスもやりたいの?じゃあこれ、どうぞ。」とポンポンを渡しました。子リスは私から離れて、何故か他のお母さんの隣の席に陣取り、何だかくつろいだ様子でポンポンを作っています。
それから、また私のところにやって来た子リスは、作りかけのポンポンを私の頭に乗せて、「ママ、いつボクの髪の毛切ってくれるのー?」と、今度は耳元より少しだけ離れたところから(小声ではありましたが)、話しかけてきたのです。ちょうどその時、A先生が私達の近くに立っていました。(多分子リスはA先生には気付いていなかったと思います。)私は、先生に子リスのお喋りを聞かせたかったので、子リスに悟られないよう、出来るだけさりげなく、話を引き伸ばしました…。
私:「えー、いつ切るって言ってたっけ?ママ忘れちゃった。」
子リス:「16日だよ。」
私:「そうだっけ?違うんじゃない?もっと前でしょ。」
子リス:「16日だよー。ちゃんとママに予約を入れたもん。」
ヘタクソな引き伸ばし方でしたが、子リスのお喋りは先生に聞こえていたかな…?

そして作業が終わり、教室を出たところで…
私:「ねえ、先生が、今日子リスは運動会の絵を2枚描いたって言ってたけど、何の絵を描いたの?」
子リス:「・・・。」(にやにや)
子リス:(ひそひそ声で)「学校を出たら教えてあげるよ。」
私:「うん、わかった。」
学校を出たら、ということは、例の曲がり角を曲がって家が見えたら、ということなんだな、と私は思いました。でも、それからすぐに子リスは、
「やっぱり今教えてあげる。綱引きと、玉入れの絵だよ。」
と、並んで歩きながら何とか聞こえる声で、教えてくれたのです。

子リスは今日初めて、私と学校で喋りました。記念すべき一歩です。

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