3年生時代 その⑦ 笑顔

 友達とのコミュニケーションの中で子リスにとっての大事なツールになっていたのが「笑顔」だったことを思い出します。
 子リスは割合、にこにこ(またはニヤニヤ)と笑顔でいることが多く、友達はそれを楽しんでくれているようにも見えました。

 近所の人が「あら、子リス君、おはよう」などと挨拶して下さる時も、子リスは恥ずかしそうに、ちょっと頭を斜め気味に下げながら、照れ笑いのような表情を浮かべていたものでした。
 笑顔だけでなく、この頃の子リスは、本当に表情豊かだったことを思い出すのです。
声が出せない分、何とか気持ちを表したいという、これは半ば本能的な方法だったのではないかと思います。

 当時は、つい「やっぱり声は出ないなあ…。」「このまま声が出ない形が定着してしまうかもしれないなあ」と、つい目に見えるところに意識が向きがちでした。
でも今思うと、コリスは無意識にしろ、声を出す以外の方法でコミュニケーションを取ろうとしていたし、何より友達と楽しい時を過ごすことを喜んでいました。回数こそ少なくても、友達と遊んだという経験は、きっと子リスの中で、人とつながる基礎を作る大きな助けになっていたのだろうと思います。

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