O先生は「ちょっと頑張ってもらおうかな」とおっしゃってはいましたが、急にハードルの高いことを子リスに要求したりはしませんでした。本当にゆっくり様子を見て下さっていることが、時々いただく電話で分かっていましたので、安心して毎朝送り出していました。
でも何となく、子リスの様子が変わってきたような気がしていました。
新年度になれば緊張するのは当然だし、子リスの学校は毎年クラス替えがあり、しかも一学年4~5クラスあったので、最初は調子が出ないのはごく普通の事、とは思っていました。
でもこれまでは、そんな新年度の不安定さの中でも、新しいクラスや、1つ進級したことにわくわくしているような雰囲気を感じていたものだったのに、今年はどうも様子が違う…。
子リスにとって、小学校3年生時代はいわば“波に乗った”時代。それが4年生になって、今までと同じ波には乗り続けられない、という様なことを早くも感じたのか。先生の、「ちょっと頑張ってもらおうかな」という意図を感じ取っているのか。それとも、お母さん(私)の雰囲気が去年までと違うのか。それとも、クラスメートの成長に圧倒されているのか。私が一人で考えていても仕方のないことですが、とにかく気がかりな様子でした。
連絡帳に、最初のご挨拶と面談のお願いを書いたのが4月9日、面談が14日。その一週間後には、風邪を引いて休むという連絡が書いてあります。次の日は、熱は下がったようですが、「まだ体調が戻らないようです。吐き気がありますのでもう一日休ませます」となっています。
その次に休んだのは翌月5月7日、やはり頭痛が原因でした。続いて25日には腹痛で休んでいます。
そうだったなあ、と当時を思い出します。朝起きてすぐ、「頭が痛い」とか「気持ち悪い」などと言う日が、急に増えてきていました。
仮病ではないのだろうけど、何となく気持ちに何かがありそうな感じの訴えです。
当時のことを子リスに聞いてみますと、「朝になると、本当に頭が痛かったり気持ち悪かったりするんだよね。たいして具合が悪くもないけど行きたくない、ぐらいの時はあったけど。ただひたすら力が入らなかった感じ」と言います。
子リスは「行きたくない」とは言いません。「頭が痛い」とだけ言うのです。何も言わずに布団にうつ伏せになって、時々唸っていることもあります。こういう場合、親の勘(?)で「これは休むほどの体調では無い筈だ」と思えば、「まずは行ってごらん。学校で具合が悪くなったら、連絡してもらって迎えに行くから」という方向へ持って行きたくなります。それでも子リスが起き上がらない時は、
結局行かせたこともあるし、休ませたこともあるし・・・。
つまりその時に私の中で、「そんなに簡単に休ませちゃだめだ!」という気持ちが勝てば「行ってみようよ。」となるし、「いや、こりゃ今日はだめだな」という方が勝つか、または、それ以前に、私の方に「行っておいでよ」「はぁ~(ため息)」という会話をする気力が全然ない…といった場合は、「じゃあ休もうか」となるわけです。
あまり一貫性のないやり方だったなあ…と思います。
そんな中で、結局(私がしぶしぶ)休ませた時も、(子リスがしぶしぶ)行った時も、「お母さんは基本的には行けと言ってるんだな」「学校は、基本的には行くところなんだな」というインプットが残ったのだろうと思います。それは子リスにとって、「理屈抜きに、行くべきところには行く」ということと、「辛いのにお母さんがわかってくれないことがあった」という、2面で出来たインプットだったのかもしれない…と今思います。