4年生時代 その㉞ 参観日

早いもので、4年生もあと数週間で終わりという時期になりました。
2月の半ば、学年最後の参観日です。

偶然にも、この日は子リスが日直に当たっていました。

授業が終わり、子リスと、相方(?)の女の子は帰りの会の司会をするために、黒板の前に出て行きました。

「これから、帰りの会を始めます」
と二人。はっきりと聞こえるのは女の子の声だけですが、もう一人の声もちょっと混ざっているようです…。何となく…。柔らかい伴奏的な感じで…。

「先生から」「連絡」など、”式次第“に従って帰りの会は進み、最後の項目「日直から一言」になりました。
まず女の子が「今日の参観日は、みんなよく頑張っていたと思います」というようなことをしっかりと話し終わると、次は当然、子リスが何かを言う番です。

すると、最前列に座っている子供たちが、一斉に机の上に身を乗り出しました。つまり、子リスの小さい声を聞き取ろうというわけです。なるほど、これが「最前列の人に聞き取れるように話してみる」チャレンジなのだな…
2列目以降の子供達も、前かがみになったり、耳を子リスの方へ向けたりしています。

私は、この場面を思い出すたびに、自分が前に立っていたような錯覚に陥ります。多分、子リスと一体化したような気がするほど緊張していたのだと思います。

果たして子リスは、「ごもごもごも…」と、「何か」を言い始めました。

実際には後ろに立っていた私には聞き取れませんでしたが、子供達は、
「オレ、わかった!」「あたし聞こえた!」と大騒ぎです。そして、「〇〇って言ったよね?」「ちがう、△△って言ったんだよ」などとも話しています。
更に続けて喋っている子リスは、”緊張の笑い“というような微笑みを浮かべながら、「何か」を(ごめん、ママには聞こえなかった)一生懸命に話しました。

一番後ろにに座っていた子が、「オレ全く聞こえなかった」と言うと先生は、
「もう~あんたたちがうるさいからでしょ!」と一言。

学校で声を出す子リスを、初めて見た日です。
ところで後から気付いたことですが、私はこの日、涙が出ませんでした。緊張しすぎると、涙は出ないもののようです。

 

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