O先生は、4年生で正念場を乗り越えた子リスの2年目を、「勢いに乗せる年」ととらえておられたのではないかと思います。
というのは、行事がある・役職を決める・先生が仕事を頼む・・・などのあらゆる場面で、とにかく「何でも」参加させようとして下さっていたからです。
例えば、代表委員を決める時。林間学校の班長を決める時。
「立候補は、○○君と△△君と□□君ね。じゃ、それと子リス君で、じゃんけん。」と先生。
「え?なんで?」と子リスが言ったか言わないかはわかりませんが、
そうやって「強制的に」じゃんけんに参加させられたことが多々あったというのです。
また、立候補者がいなかったり、数が足りないような場合には、「じゃあ、子リスくんで。」
と、これまた「強制的に」係にさせられたりもしたそうです。
そんな話を報告する時の子リスは、
「だってO先生が、『じゃあ子リス君もじゃんけんして』って言うんだもん…」
と、困った様な嬉しいような照れ笑いで私に報告していたもので、どうやらイヤではなかったらしいことが伺えました。
でも、クラスのみんなはどう思っていたんだろう?
当時の記憶と、今の子リスからの話から判断すると、何でも引っ込み思案だった子リスが話し始めたので、先生はそれを後押ししてるんだな、というのが、子供達の暗黙の了解としてあったようです。
じゃんけんに関しては、最後まで勝ち残ったことはなく、代表委員などの大きな仕事につくことは免れたそうですが、先生の「指名」による係は、否応なしにやらざるを得なかったので、結果としては一年間で、子リスは結構イロイロな仕事をしたようです。そうやって、時々何かの代表をさせられたりしているうちに、少しずつ、子リスの中に、小学校生活に対する自信が築かれていったのでしょう。
そして…「強制的に」じゃんけんに参加させたり、係に指名したり…という、型破りなやり方。4年生での大変身を遂げさせて下さったO先生にしかできないことだと、今更ながらに頭が下がるのです。