そして翌日。子リスは学校から、足を引きずって帰って来ました。
どうしたの?
と聞くと、片足の膝下を黙って指差しました。見るとそこは10×5センチぐらいに渡ってひどく腫れ上がっています。
どうしたの!?
蹴られた。
誰に?
分からない。
分からないってどういうこと?蹴られたことはわかってるんでしょ?
相手がわからないって、どういうこと?
急に誰かが、見えない方向から飛び蹴りみたいな感じで蹴って来て、びっくりしてそっちを向いたけど、誰もこっちを見てなかったから分からない。
誰だよ?って聞いたけど、みんな「知らない」って。
心当たりはないの?
だってみんな「ちがう」「知らない」って言うから。
子リスの目には涙が溜まって、声は震えています。
なんでそんなことを?
すると子リスはこんな風に言いました。
「みんな、僕のことをいつまでも一番下に置いておきたいんだよ。」
恐れていたことが起きたように感じました。
喋れない、ニコニコしているだけのかわいい子リスだと思っていたのに、喋れるようになったら何だか目障りで、気に入らなくなってきた。
気に入らないからやっつけよう。そういうこと?
何にしてももう限界でした。学校に連絡しなければ。