6年生時代 その⑭ 「長崎です」

2学期をしめくくる授業参観は、いわゆる普通の参観としては小学校最後のものでした。(3学期には参観日ではなく、「卒業発表会」というものがありました)

教科は社会。歴史の授業でした。それまでに勉強した内容を確認するために、先生が色々と質問して、子供たちは手を挙げて答えていきます。

子リスは手、挙げるのかな…?

思い出すのは1年生時代…。
担任のA先生が子リスに、「答えがわかったら、手を挙げてみて。あてないから。」
と言ってくださいました。それで子リスは、「あてられないなら」と“安心して”手を挙げ、答えがわかったことを先生に伝えることができるようになったのでした…。

 

MM先生:「日本の鎖国時代、ヨーロッパや中国との貿易が行われていた、たった一つの場所はどこですか?…ハイ、〇〇さん。」

「はい。出島です」

先生:「そう、出島ですね。出島って、どこにあるの?」

おっ、子リスが手を挙げています。

先生:「ハイ、じゃあ子リスくん。」

子リス:「はい。長崎です。」

あ、答えた!しっかりした声。

 

小学校入学以来、私が初めて聞いた、子リスの「授業中の発言」でした。

6年かけて、ついに聞けました…!
「早く授業中に手を挙げて発言して欲しい」なんて、強く願っていたわけではないけれど、やはり感無量なのでした。
そしてこの日は一日中、私の頭の中で、「はい、長崎です」の声がリピートされていました。

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