中学時代 その⑲ 高校説明会と進路の決定 [3年生]

夏休み中に、子リスはある公立高校の体験入学に参加しました。そこは落ち着いた雰囲気の共学校で、私もそこは中々良いのではないかと思っていました。

それから約3か月後の11月、高校の説明会というものに子リスと2人で初めて行ってみました。夏に見に行った高校と、もう1つ別の公立高校(こちらは男子校)、それと私立高校の3校です。

1年生の時から説明会に参加する人も少なくないというのに、親子そろってのんびりというか、面倒臭がりというか、
「今行ってもね~、よくわかんないしね」
「どうせ3年生になったら考えるんだから、あんまり早くから悩みたくない」
「そうだよね~。面倒だしね」

と意見は一致して、気が付けばもう3年生の秋、つまり最後のチャンスまで行かなかったわけです。
しかし、志望校の決定に関しては、一発で意見が一致したわけではありませんでした。

初めに見に行ったのは私立高校。ここは自然に囲まれた、とてもゆったりした雰囲気の高校で、子リスも私も好印象を持ち、「公立合格が叶わなかった場合には、ここに来たい」と思える学校でした。

次の週には公立の男子校の説明会がありました。(この時期、立て続けに説明会やら面接やらが入っていて、結構慌ただしく過ごしました。選択肢もそんなに沢山はなく、大体の生徒が担任の先生に『この学校かこっちの学校』と言われて志望校を決めていた、私の故郷とは随分事情が違うもんだ…と思ったものです。)

私は公立に関しては、夏に体験入学をした高校が子リスに合っているのではないかとずっと思っていました。雰囲気が落ち着いていて、“大人しめの”子も馴染めそうな気がしたのと、こちらの方が、ほんの少し偏差値が高かったからです。今の頑張り方だったら、こちらの高校にも入れるのではないか。だったら、少しでも上の学校を目指したらいいのではないか。そんな風に心が動いていたのだったと思います。

ところが子リスは、この男子校の説明会に参加して、校長先生の話を聞き、学校紹介のビデオを見るや否や、「ここ、面白そうだなあ」と言い始めました。私は、
「ちょっと待ってね。こういうビデオっていうのは、煽るようにできてるんだから。冷静に考えた方がいいよ。」
と言い、結論を出すのを待たせ、共学の方への可能性を残しました。

その話を夫にすると、
「子リスが自分で行きたいっていう方に絶対に行かせないとだめだ。人の意見に無理やり従わせたら絶対後悔するから。」
と言います。私は
「わかった。でもとりあえず、共学の方も見て来るね。」と言い、次の週についに、元々の本命の高校へ出かけました。

大きな体育館に子リスと並んで座り、校長先生のお話や卒業生、在校生による学校紹介などを聞きました。
「ふーん…なるほど。」予想通り、落ち着いた、まじめな感じの高校。「登校、下校の時間は勉強の時間と思って下さい」「部活動も思い切りやりたいという人には、あまり向いていないかもしれません」との話が印象的でした。

ふと隣を見ると、子リスは前を向いて話を聞いていることは聞いていますが、身が入っていないことが座り方に表れています。腰がだんだん前の方にずれて来ていて、そして何より目が死んでいる…。
…こりゃダメだな。

帰りの電車の中の会話です。

私:「どう?」
子リス:「うーん…」
私:「うーん、だよね…」
子リス:「自分としては、K校(男子校)に行きたい気持ちが大きい。」
私:「そっか。そうだろうなあ、と思ったよ。」

そして電車を降り、家に帰る前に、ハンバーガーショップに寄りました。お腹も空いていたし、ちょっと落ち着きたかったのです。

そしてそこで、
「じゃあ、子リスはK校に行きたいんだね」
と確認すると、
「うん。お母さんは今日見た学校の方がいいと思うの?」
と聞くので、
「正直言うと、今日の朝まではそう思ってた。でも、子リスの様子を見てて、子リスが行きたいのはK校だっていうのがよーくわかったよ。座り方が…」
(子リス、苦笑い)
「実はお母さんも、K校の方が断然いいって今日思った」
と私が言うと、子リスは嬉しそうな顔をして、
「K校に行ったら面白いだろうな、って思うから、頑張れる気がする」
と言いました。

もう、これは決まりだな…と思ったので、
「お父さんが、子リスが行きたい所に行かせなさい、って言ってたから、自分で報告してね」
と言い、ハンバーガーショップを出て帰宅しました。

実は、子リスがK校を選んだことは、私にとっては、「意外」でもあり、逆に「やっぱりそうなんだ」でもあるのです。それについてはまた後日書くことにして…

とにかく、志望校が決まりました。あとは受験当日に向かってひた走るのみです!
頑張れ、子リス~!!!

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