9月1日、二学期が始まりました。が、なんとその次の日には、子リスは早速休んでいます。
翌日、翌々日も、37℃前後の微熱で、休みの連絡が続いています。楽しかった夏休みが終わり、また「チャレンジの場」へ向かっていくような気持ちもあったのでしょうか。1日行ってみて、どっと疲れが出たのかもしれません。
学校から歩いて5分ぐらいのところに、市立のプラネタリウムがあります。子リス達の小学校では、4年生になると、みんなでここに出かけて星のことを学ぶ時間がありました。
子リスは、プラネタリウムに行くことについて、何度もその話をするほど楽しみにしているようではなかったものの、嫌がっているようでもなく、きっとその日になれば元気に行くんだろうな、と思っていました。
でも、2日間休んだ後の3日目の朝、子リスはやはり起きて来ません。「体が痛い」というのです。元気もなく、布団の中で、身の置き所がない感じでモゾモゾ動いています。
「行けなさそう?」と聞くと、「うん」という返事。
「今日プラネタリウムでしょ?」と言っても、「うん」
しばらく様子を見てはみましたが、もう登校班で一緒に出掛けるには間に合わない時間になってしまったので、連絡帳に事情を書き、同じクラスのT君に託しました。
しばらくして、担任のO先生から電話がありました。
「プラネタリウムだけでも来ませんか?」という有難いお話です。少し驚きながら、私が
「行かせてよろしいでしょうか…?」と尋ねると先生は、
「もちろんです!もし大丈夫そうなら、是非!」と言って下さいます。
プラネタリウムに行ったら、これはもうゼッタイに、楽しい経験が出来る筈。その時間を過ごさせてやりたい、というのは、先生も私も同じ気持ちだったと思います。とにかく、ポジティブな経験を一つでも増やしてやりたいという、必死な思いです。
でも、子リスは行くと言いませんでした。「学校休んだのに、プラネタリウムだけ行くなんて許されないと思う」と、子リスが言ったわけではないけれど、きっとそんなふうに考えたのだと思います。子どもは、意外と律儀で、そういうことを考えるものだというのは、自分の子供時代の経験からもわかります。
「朝体調が悪くて学校に行かなかったけれど、プラネタリウムには行く」のは、「ダメなこと」・「ズルイこと」なんじゃないか。それに、誰かに何か言われるのではないか、ということも過ったかもしれません。
(そもそも、ここで「えっ、行っていいの?!行く!行く!」と飛び起きて来るようなタイプなら、子リスならではの苦労のアレコレは無いのかもしれません・・・)
どうするべきか、どうしてはいけないか。子供なりに、“正しく”あろうとすることは、時としてとても苦しいものです。でも、きっとその葛藤の積み重ねで、大体の人はマトモな大人になって行くのだと思います。
結局、「すみません。行けないと言っています…せっかくなのに・・・すみません。」という返事をすると、先生は、
「そうですか??」ととても残念そうに、でも、
「やっぱり子リス君は、色々考えちゃいますかね。わかりました。じゃあ、お大事にしてくださいね。」
と言って下さいました。