ここに、子リスの小学校6年分の連絡帳があります。この中で最も沢山のページが埋まっているのは、ダントツで1年生のものですが、それに次いで多いのが4年生の連絡帳です。
これはなんと言っても休んだ日が多かったためです。頭痛、微熱、吐き気、体が痛い…などの身体の症状で、平均すると1か月に2~3日は休んでいます。(現在の子リスの告白によると、「実は“半分仮病”という日もだいぶ多かった」そうですが)
そして、もう一つの理由は、O先生から子リスの様子を知らせて下さる連絡が頻繁にあったということでした。これは今連絡帳を読み返しながら、改めてその有難さに頭が下がります。
これは一学期の連絡帳からですが…
7月のある日、学校で頭痛が起きた子リスは、プールの授業を見学したそうです。あまり酷い頭痛ではなかったので、早退したりはせず、そのまま学校に留まりました。午後になって、先生が子リスに体調を聞くと、
(ここから先生の文)
「給食後、36.8℃で、すこしわだあいたいと言っています。給食は、「皿」を残したそうです😊」
「わだあいたい」?皿を残した??
実はこの日、子リスは帰って来るとすぐに、「今日ね…」と、“ちょっと恥ずかしいけれど嬉しいこと”があった時の顔をして、私に教えてくれていました。それによると、
先生に体調を聞かれた子リスは、(口パクで)「頭が痛い」と言ったそうです。その「あたまいたい」という口の動きを見て、先生は「え?わだあいたい?」と聞き返し、子リスがまた「あたまいたい」と言っても、「え??わだあいたい???」と何度も言ったとか。
それから「皿」についてはこうです。
「給食は全部食べられた?」という先生の問いに、「はい」と首の返事をすると、「えっ、全部!?お皿も食べたの?」と聞かれ、子リスは慌てて首を振り、「皿はたべてない」と伝えた、ということでした。
なんとも微笑ましいやり取りで、今改めて読み返しても、その場面を想像してクスっと笑ってしまいます。
「え?わだあいたい?」と言われて、子リスはきっと、笑いたいけれど唇を結んで声を出さないように我慢していたんだろうな…。そして一生懸命、「あ、た、ま、い、た、い」と繰り返し、笑いを噛み殺している子リスの様子を見た先生は、また分からないふりをして、子リスは「もう~」という態度を体で示しながら、また「あたまいたい」…これを繰り返したんだろうな…。
その日、私から先生への返事です。
「学校から帰った後は、熱も上がらず元気でした。いろいろありがとうございました。帰っていきなり、『わだあいたい』の話をして喜んでいました。」
そして、それに対して先生から、
「ちょっと酷でしたが、しつこく(口の形を)読み取れないふりをしてしまいました。子リス君はがんばってます!」
との言葉があります。
また10月のある日には、先生から「最近、ささやく声がしっかりしてきた気がします。うれしいです。」とあります。
子リスは今この文を読んで、
「“ささやく声がしっかり”って…。お前もうちょっとしっかりしろよ…ってコイツ(自分)に言いたくなるね。もうすぐ妹が生まれるんだからさ…もう少し何とかしろ!っていう…」と苦笑しています。
「そう言うけど子リス、当時は当時ですごく頑張ってたんだよ。先生もそう書いてくれてるでしょ。それに、その一生懸命な様子がかわいかったんだよ。」と言うと、今の子リスは「へー。そんなもんですかね。」と聞き流していますが、でも、確かに子リスは、その時・その時で一生懸命やっていたと思います。
子供はある意味で、“一生懸命やる”ことしかできないものかもしれません。たとえ見た目には一生懸命に見えなくても、心の中はいつも、色々なことで一杯なのではないかと思います。